石灰は現在輸入ゼロ。全て国内生産で賄える数少ない豊富な天然資源です。
土壁の上に漆喰を塗って真っ白に仕上げた壁を漆喰壁という。昔は高級仕上げとして寺院、公家や武士などの住宅、城郭の壁面、財力のある人の蔵などに塗られていた。
漆喰は消石灰に砂、糊、麻スサや紙スサを混ぜて、水練りしたもの。
消石灰のことを普通は「せっかい」と呼んでいる。粘土とはちがい、石灰石や貝殻を高温で焼いて生石灰(せいせっかい・きせっかい)とし、これに水分を与えて消化(水和反応)させてつくられる。これを水練りして塗ると、空気中の二酸化炭素と反応を起こし、石灰石の成分に戻っていくことで徐々に硬化していく。そのため、土壁よりも緻密で硬く、耐水性が高いという特徴をもっており、外壁はもちろん内壁の仕上げ塗りに使用すると美しく健康的な空間が生まれる。
ー室内空間の健康化に貢献する不燃天然壁材ー
■ホルムアルデヒドを吸着し、再放出させない
化学物質過敏症の原因となるホルムアルデヒド(家具・フローリング・壁のクロス貼り・新建材等に含まれる)を、漆喰(消石灰)は化学的に吸着し、一度吸着したホルムアルデヒドは再度空気中に放出されることはない。
天井、壁に漆喰塗りした室内に、人が居住できないほどの高濃度(16ppm)を人工的に発生させ、3時間を経過した数値を計ると国内安全基準(0.08ppm)を下回りその吸着力のすばらしさが発揮された。
■お部屋のジメジメを防ぐ
消石灰の微細孔により、高い吸放湿性能を有し、その吸放湿性能は、吸湿性で塩ビクロスの4倍、放湿性で12倍、結露を抑制し、お部屋のジメジメ感をとり除く。
■カビの発生を防ぐ
消石灰は、昔から乾燥剤や防カビ剤として使用されており、漆喰は、その特徴をいかし、カビの発生も予防できる、いわば天然防カビ剤である。防カビ性に優れ、透湿性のある漆喰の壁面は、結露等によるカビの発生を防ぐ。
■ペットやたばこの臭いを軽減する
ペット専用マンションの内壁に数多く使用されている漆喰。ペットの臭いだけでなく、たばこや焼き肉等の臭いも吸着し、高アルカリ性で多孔質の消石灰は、これら生活臭を吸着する。
左/消石灰の原料となる石灰石。
右/石灰石を焼いた生石灰。右は水分を与えて消化させ粉末になった消石灰。石灰(いしばい)ともいう。重油燃料で高温・短時間に焼いて消化した大量生産品が主流だが、ゆっくり焼き、空気中の湿気で自然消化させたものが良質とされる。